膝のどこに痛みがあるかで、その痛みはどの疾患によってきているのかだいたい予測できます
膝のお皿の上の痛み
大腿四頭筋腱炎
大腿四頭筋は骨盤や大腿骨(太ももの骨)の上から脛骨粗面(膝のお皿の下の出っぱり)に付いていますが、お皿の上で腱になり、お皿を包みます
その腱の部分に負担がかかり炎症を起こします
膝のお皿の痛み
滑液包炎
滑液包とは皮膚とお皿の間にある袋で、摩擦を軽減してくれます。
膝を曲げることが多いと炎症を起こしてしまいます
また、免疫力が低下していると細菌性の滑液包炎になることもあります
骨折
転んだりぶつけたりの直接的な力が働くことで骨折をすることが多いです
稀にお皿についてる大腿四頭筋が急激に収縮することで、お皿が上下に真っ二つに割れる横骨折になることもあります
打撲
骨折同様、転んだりぶつけたときになります
骨折と違い、骨に異常は見られません
お皿の真下の痛み
ジャンパー膝(ジャンパーズニー)・膝蓋靱帯炎
お皿のすぐ下には膝蓋腱という腱や膝蓋靱帯があり、その腱・靱帯が炎症を起こしている状態です
ジャンプ動作の多いバレーやバスケをしている方に多く起こります
他にもサッカーをしている方にも発症します
骨の成長が落ち着いてきて、膝の曲げ伸ばしをすることが多い人はなりやすいです
シンスプリント
脛骨の骨膜炎のこと
脛骨とはスネの内側の骨のことで、その下1/3の部分の骨膜に炎症が起こります
足底のアーチが崩れて負担がかかったり、膝が内側に入り・つま先が外側に向いている(ニーイン・トゥーアウト)状態で脛骨の下1/3に重心がかかっているとなってしまいます
脛骨粗面(お皿の下の骨の出っ張り)
オスグッド
以前にも書きましたが
大腿四頭筋が緊張して脛骨粗面に負担がかかって炎症が起こった状態です
放っておいたり、ひどい場合は脛骨粗面の剥離骨折を起こすこともあります
お皿の内側の痛み
内側側副靱帯損傷
以前にも書きましたが、膝から下が外側に反るのを防ぐ靱帯です
ニーイン・トゥーアウト状態で膝の外側から力が働くと靱帯が必要以上に伸ばされ損傷しやすくなります
内側半月板損傷
こちらも以前に書きました
内側側副靱帯、前十字靭帯と同時に損傷することを【不幸の三徴候】といい、スポーツをする上では致命的になってしまいます
鵞足炎
縫工筋・薄筋・半腱様筋の3つの筋から構成されています
その鵞足の部分で炎症が起きている状態です
膝の曲げ伸ばしをするときに腱と骨、または腱同士がこすれて起こります