上腕骨顆上骨折とは
上腕骨の遠位部分(体の末端側)にある上腕骨の「顆上部」の骨折
もともと骨が細くなっていることから脆弱な部分といえます
小児や子どもの中でも男女比:2:1の割合で男児に好発し
主に高所からの転落時に手を床につき、肘が反る方向(伸展)に強制された場合に受傷します
上腕骨顆上部は、すぐ近くに神経や血管が走行しているため、折れた骨の転位や腫れの程度によって合併症を招く恐れがあるため注意が必要です
症状は
上腕骨遠位端の内側上顆部と外側上顆部を結ぶ線よりもやや上の顆上部に限局性の圧痛を触れます
また同部を中心に強い腫れや皮下出血が出現します
顆上骨折には「伸展型」と「屈曲型」があり、レントゲン写真で骨折線を横から見た場合
伸展型は前下方から後上方に走行しており、屈曲型の場合は逆に前上方から後下方へ走行しています
転位のある場合伸展型の骨折では中枢骨片が前方に突出し、肘頭(肘の後端)が後方へ偏位ひた変形を生じます。
また、末梢骨片の内側転位と内旋転位(内側に軸回旋)を生ずると、前面から見て、肘関節が内反(内側に沿った形状)して見えます。
一方、屈曲型の骨折では、中枢骨片が後方へ転位し、肘頭よりも上位で後方へ出っ張った骨を触知します。
ただし、屈曲型ら転位が僅かな場合がほとんどです
尚、伸展型で大きな転位がある場合、腫脹が高度で表皮に水泡形成がみられる症例もあります。また、そのような転位のある場合、合併症としてフォルクマン拘縮、内反肘変形、橈骨神経麻痺、正中神経麻痺などが挙げられます
骨折の程度によって分類され
重症度が変わってきます
Gartlandの分類
・Type1:転位が全くないか、ごく軽度のもの
・Type2:折れ曲がっているが、一部の骨皮質に連続性が残っているもの
・Type3:完全に転位してしまっているもの