テレビや漫画を見ていて、たまに肩関節が脱臼する状況があります
人間の体にはたくさんの関節があるのに、なぜほとんどが【肩関節の脱臼】なのでしょうか
もしかしたら、実際に脱臼の中でも肩関節の脱臼が多いからかもしれません
なぜ肩関節の脱臼が多いのか
肩関節は上腕骨と肩甲骨からなる関節です
上腕骨の骨頭という丸みのある部分と、肩甲骨の関節窩という受け皿になる部分が合わさってできているのですが、受け皿になる部分の方が骨頭よりも小さくなっていてガッチリハマっているワケではありません
なぜガッチリハマっていないのに、普段は抜けないのか
それは関節周囲の軟部組織に支えられているからです
【軟部組織】とは筋肉・靱帯・関節包・関節唇などのことで、完全に脱臼する場合は軟部組織組織が剥がれたり、切れたりします
よって、この支えになっている軟部組織がしっかり治らない限りは、脱臼を繰り返す可能性が高くなるということです。この状態を(脱臼ぐせ)反復性脱臼といいます
脱臼すると
一般的に怪我をした時に出る症状は疼痛(痛み)・腫脹(腫れ)・機能障害(動きが悪くなる)の3つがでますが、脱臼した場合はそれプラス関節の変形・弾発性固定がでてきます
関節の変形は脱臼しているので、当然正常の関節と比べると形が変わってきます
弾発性固定とは自分以外の人に動かしてもらうと、弾力性の抵抗があり、動くけど離すと元に戻ってしまう症状です
治療は
痛みは関節をはめるとだいぶ落ち着いてきますが、先ほども言ったように周りの軟部組織が治らない限りは再度脱臼する可能性があるので、安静にして軟部組織を治すことが大事です
脱臼後
とくにしてはいけない動きは腕を肩甲骨よりも後ろへもっていかないことです
例えば手を頭の後ろで組んだり、座るときに後ろに手をついて座ったりです
肩の脱臼で多いのは上腕骨の骨頭が前にいってしまう前方脱臼です
腕を体より後ろへ動かすと骨頭が前へいってしまいます。そのときに関節包が破れたままだと、また脱臼してしまうからです