背骨の首の部分を頚椎と呼びます。
背骨は一本の骨と思われがちですが、実はいくつもの椎骨という骨がいくつも積み重なって構成されていて、頚椎は7つの椎骨があります。
椎骨と椎骨の間には『椎間板』と呼ばれるい頸椎にかかる負担を減らすクッションのような役割をするものが挟まっています。『頸椎椎間板ヘルニア』は
『頸椎』という首の骨にある、『椎間板』が
『ヘルニア』という状態になってしまっている。
ことを言います。この『ヘルニア』とは、『飛び出す』という意味で
『本来あるべき場所から飛び出している状態』のことです。そうすると、『頸椎椎間板ヘルニア』は、
『頸椎にある椎間板が飛び出してしまっている』ということになります。その飛び出した椎間板が、『神経』に当たってしまうことで『神経』が本来の働きをできなくなってしまっている状態をいいます。
首を痛めたときや加齢変化などによって椎間板が後方、または後側方に飛び出すことによって神経を圧迫してしまうヘルニアですが
30~50歳代に多く、しばしば誘因なく発症します。
悪い姿勢での仕事やスポーツなどが誘因になることもあります。
飛び出す場所により、神経根の圧迫、脊髄の圧迫あるいは両方の圧迫が生じます。
頚椎椎間板ヘルニアの症状には大きく分けて二つのものがあります。
一つは、一側の肩や手の特定の領域に激しい痛みや放散痛が生じるタイプで、「しびれ」を生ずる場合もあります。
頚椎のどの部分でヘルニアが起こるかで、シビレる範囲が変わってきます。
この場合には、最初の数日間は首の寝違いとよく似た鈍痛・違和感などの後頚部症状が認められ、これに引き続き手や肩への激しい放散痛が生じることが一般的です。この痛みは激烈なものですが、ほぼ2〜3週間でピークを越え、あとには鈍い痛みやしびれが残り、これが数週間から数ヶ月で軽快するという経過をとることが多いです。
しかし、放っておくと腕にいく神経を圧迫し続けることになるので
筋力が低下に繋がってしまいます。
もう一つのタイプとしては、両手の「しびれ」がみられたり、両手を使って行う細かい動作である巧緻運動(箸を使う動作・ボタンをかける動作・ページをめくる動作など)が徐々に出来にくくなったり、両足が足先から段々としびれてきたり、歩行がなんとなく不自由になるなどの症状が数日から数週間の経過で急速に進行するものです。
どちらも疑いがあれば、早めに治療を開始しなければなりません。
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