肘頭とは、肘を曲げたときに一番出っ張るところ
肘頭は二の腕と前腕とをつなぐ蝶番(ちょうつがい)の役目を担っており、肘関節の曲げ伸ばしをなめらかにする働きがあります。
肘頭を骨折すると、上腕の後ろにある上腕三頭筋に引っ張られ、肘頭が破断し、折れた骨の欠片が引き裂かれた状態になります。
骨折の原因は肘をついて転倒などによる直達外力によるものと
上腕三頭筋の牽引力によって起こる介達外力によるものとに分かれます
症状としては、ひじを自由に動かすことができず、肘頭は二の腕と前腕とをつなぐ蝶番としての役目を果たせなくなります。
また、ひじのあたりが著しく腫れて、押さえると激痛を感じるようになります。場合によっては、ひじのあたりを触るとくぼみがあり骨が折れているのがわかることもあります。
また、骨折の仕方にもよりますが、上腕三頭筋の腱がついていることによって、骨片が後上方へ転位することがあります。
この場合は、自分でひじを動かすことがむずかしくなります。
さらに、単純な骨折だけでなく
肘関節の靱帯損傷肘関節の靱帯損傷やモンテギア骨折、鉤状突起骨折などの合併症を伴うことも少なくありません。
骨折の応急処置は
1、Rest:安静
2、Icing:冷やす
3、Compression:圧迫
4、Elevasion:挙上(患部をなるべく心臓より高く上げること)
以上の4点が重要となってきます。
ただし、一般の方が「圧迫」を行う場合には「軽く圧迫する程度」に留めておいて下さい。
これは、末端に血液がいかなくなるほど強く圧迫してしまうと血流障害を引き起こしてしまうことがあるからです。
また、骨折した部位が動かないように副子(添え木)で固定してあげることも大切です。
ダンボールや箸、板など何を使っても構わないので、骨折した患部にあてがい包帯などで留めましょう。
腕の骨折が疑われる場合は、三角巾を使用するのもよいでしょう。