SLAP損傷(スラップリージョン)とは
肩の関節は球関節に分類されており、腕の骨(上腕骨)の端の球状の部分(上腕骨頭)が肩甲骨の凹み(関節窩)にはまって広い可動域をもっています。
ただし、上腕骨頭に比べて肩甲骨の関節窩は小さく浅いため、、それを補うリング状の組織が関節窩の周囲に存在しています。
これを関節唇(かんせつしん)といいます。
そしてSLAP損傷とは、肩関節の関節唇の損傷のことをいいます。
SLAP損傷は主に投球やバレーのアタックなど、腕を振りかぶる動作が損傷の原因となります。
これはボールを投げる際、関節唇上部に付着している上腕二頭筋長頭腱が引っ張られたり、肩関節に捻れの力が加わったりする動作で繰り返しストレスがかかってしまうと関節唇に損傷や剥離を引き起こします。
上前方関節唇の損傷では、投球動作のコッキング期(振りかぶった状態)から、アクセラレーション期(ボールを離す前まで)に痛みが生じます。
上腕二頭筋長頭腱にはボールリリース、フォロースルー期において牽引張力が加わり、腱の付着部から切れたり、上腕骨頭の溝で擦り切れて断裂することもあります。