舟状骨骨折とは手首にある8つの手根骨の内の1つです。親指側にあり、スポーツや交通事故で転倒し、手のひらを伸ばした状態で地面についた際に起こることがあります。
まず、手根骨の位置ですが、手を開き、手のひら側から見てもらうと
腕の骨と手の甲の骨の間に8つの骨があります。腕側の小指側から
・豆状骨(とうじょうこつ・ずじょうこつ)
・三角骨(さんかくこつ)
・月状骨(げつじょうこつ)
・舟状骨(しゅうじょうこつ)
指側の小指側から
・有鈎骨(ゆうこうこつ)
・有頭骨(ゆうとうこつ)
・小菱形骨(しょうりょうけいこつ)
・大菱形骨(だいりょうけいこつ)
となっています。
急性期の症状としては、手首の親指側が腫れて痛みます。急性期を過ぎると一時的に症状が軽くなりますが、骨折を放置したままにすると、骨がつながらずに固まってしまう偽関節(ぎかんせつ)になることがあります。
他にも、手首の関節が変形して手首が痛む、力が入らない、動きにくくなるなどの症状もでます。
また、解剖学的嗅ぎタバコ入れ(親指を反らせて手首にできるくぼみ)と呼ばれる部位を圧したときに痛む場合も、舟状骨骨折が疑われます。
舟状骨骨折の半数近くがスポーツによる受賞が原因で起こります。転倒して手のひらを伸展位で地面につくと、通常は橈骨遠位端(とうこつえんいたん)骨折が起こることが多いですが、10代後半〜20代の青年層が手関節伸展位で強く転倒すると、舟状骨を骨折することがあります。
舟状骨骨折は橈骨遠位端骨折に比べて腫れは少なく、骨折のズレが小さければ、痛みもあまり強く感じません。
さらに、病院でレントゲン検査をしても、骨折が見つからず、2〜4週間後の再検査でレントゲンに骨折線が現れるケースも多くあります。
舟状骨骨折の中で一番多いのが、舟状骨の腰部と呼ばれるくびれた部分の骨折です。