こんにちは! 住之江区緑木にある【ゆう鍼灸整骨院】です。
いつも当院のブログを読んでいただきありがとうございます。
このブログでは、当院で行っている治療法やいろいろな疾患のこと、身体のための体操からちょっとした豆知識まで紹介させていただいております。
『腰が痛い。』『脚が痛い。』『長い距離を歩けない。』『脚がシビれる。』『病院に行ってみたら脊柱管狭窄症と言われた。』
あなた自身、もしくは周りにそんな人はいませんか。
腰に痛みがあって脚に痺れもでると聞いて思い浮かぶ疾患といえば【腰椎椎間板ヘルニア】が代表的です。
しかし、腰の痛み・脚の痺れがあるからといって、それが必ずしも腰椎椎間板ヘルニアというワケではありません。
実は腰椎椎間板ヘルニアと似たような症状がでる疾患がいくつかあります。
今回はその腰椎椎間板ヘルニアに似た疾患のうちの1つである【腰部脊柱管狭窄症(よう-ぶ-せき-ちゅう-かん-きょう-さく-しょう)】について紹介していきます。
【腰部脊柱管狭窄症】とは、『脊柱管の腰の部分が狭くなって症状がでてきますよ』ということです。
この疾患を説明する上で、まず『脊柱管とは何か』を知ってもらう必要があります。
脊柱管とは脊椎にある管で、脊髄が通るトンネルのことです。
『脊柱』や『脊椎』など難しい言い方をしていますが、これは一般的にいう背骨のことを指しています、
この脊椎ですが、体に1本長い骨があり、その長い1本が背中にズドンと立っている.....と思われている人が多いかもしれません。しかし、実はこれ全くの間違いなんです。
脊椎は
首の部分である『頚椎(けい-つい)』
胸の部分である『胸椎(きょう-つい)』
腰の部分である『腰椎(よう-つい)』
骨盤の部分にある『仙椎(せん-つい)
一番下の尾てい骨と呼ばれる『尾椎(び-つい)』
の5つに分類されます。
さらに頚椎、胸椎、腰椎、仙椎、尾椎はそれぞれ1つずつではありません。
頚椎が第1〜7、胸椎が第1〜12、腰椎が第1〜5、仙椎が第1〜5、尾椎が第1〜3もしくは5まであります。
仙椎の5つは全てひっついているので『仙骨』として1つに数えられることがあり、尾椎も3〜5つの椎骨が結合されていて1つと数えられることがあります。
そのため通常全部で26〜34個と言われています。
仙骨と尾骨をそれぞれ1つとして数えた場合には脊椎は合計26こ。
仙椎が5つ、尾椎も5つとして数えた場合には脊椎の合計が34ことなるワケです。
稀に先天的に頚椎が8つあったり腰椎が6つあったりして椎骨が人よりも多いというケースもありますが、基本的には頚椎が7、胸椎が12、腰椎が5、仙椎が1〜5、尾椎が1〜5という数字が脊椎の数となっています。
そして、この脊椎を1こ単位の骨を『椎骨(つい-こつ)と呼びます。
〜椎骨の構造〜
椎骨の前側は楕円形のような形をした「椎体(つい-たい)」、後ろ側は弓のような形をしているので「椎弓(つい-きゅう)」と呼ばれています。
椎体と椎弓の間には「椎孔(つい-こう)」と呼ばれる穴があり、椎骨一列に連なると当然ですがその椎孔も一列に連なります。
その一列に連なった椎孔が管状になって脊柱管と呼ばれるようになります。そしてその脊柱管の中には脊髄が通っています。
脊髄とは脳とからだの各部とを連絡している組織で、知覚や運動の刺激を伝達したり、反射機能を司っています。この脊髄と脳を合わせて『中枢神経系』とも呼びます。
脊髄から脊髄神経と呼ばれる神経の枝が出ます。上位椎骨の椎弓にある下椎切痕(か-つい-せっ-こん)と下位椎骨の椎弓にある上椎切痕(じょう-つい-せっ-こん)がお互いに向き合って「椎間孔(つい-かん-こう)」が構成されます。
その椎間孔は、脊柱管の中の脊髄から出る「脊髄神経」の通路となります。
〜腰部脊柱管狭窄症の症状〜
【腰部脊柱管狭窄症】では腰痛が強くでることはそこまで多くありません。
多いのは、『安静にしている時にはほとんど症状はない』、『背筋を伸ばして立っていたり歩いたりすると、ふとももや膝から下にしびれや痛みが出て歩きづらくなる。』『または歩行が困難になる。』などの症状です。
しかしこの症状、すこし前かがみになったり、腰をかけたりして休憩するとしびれや痛みは軽減されて再び歩くことができます。
この症状を【間欠性跛行(かん-けつ-せい-は-こう)】といいます。
この【間欠性跛行】という症状のせいで腰部脊柱管狭窄症の患者さんは長い距離を続けて歩くことができません。
しかし、間欠性跛行があるからといって腰部脊柱管狭窄症と決めつけるのは危険です。腰部脊柱管狭窄症には鑑別しなければならない疾患があるからです。
腰部脊柱管狭窄症の特徴的な症状である間欠性跛行ですが、【下肢閉塞性動脈硬化症(か-し-へい-そく-せい-どう-みゃく-こう-か-しょう)】でもみられる症状だからです。
この下肢閉塞性動脈硬化症とは、下肢の主に大血管が慢性的に閉塞することによって起こる疾患です。軽度では下肢のしびれや冷感、重症の場合には下肢が壊死してしまうこともある疾患です。
腰部脊柱管狭窄症と下肢閉塞性動脈硬化症。
この2つの疾患の違いは
『足の動脈硬化があるか』
『前かがみになったときに症状の変化があるか』の2つのポイントが大きな違いとなります。
下肢閉塞性動脈硬化症は疾患名の通り、動脈硬化が原因となっているのでわかりやすいです。
動脈硬化が原因となっているので、体を前かがみにして姿勢を変えても血管の閉塞なくなるワケではないので症状が軽減することはありません。
それに対して腰部脊柱管狭窄症は動脈は関係なく、脊柱管での脊髄や脊髄神経の圧迫が原因です。
体を前かがみにすると脊柱管が広がって圧迫が軽減されるので症状が改善されます。
なので腰部脊柱管狭窄症の患者さんは、手押し車(シルバーカー)や前傾姿勢になるような自転車では下肢の症状はでてきません。
腰部脊柱管狭窄
症には、下肢閉塞性動脈硬化症のほかに、もう一つ鑑別しなければならない疾患があります。【バージャー病】という疾患です。
症には、下肢閉塞性動脈硬化症のほかに、もう一つ鑑別しなければならない疾患があります。【バージャー病】という疾患です。
バージャー病とは、四肢(主に下肢)の末梢動脈の内膜が炎症を起こすことによって動脈が閉塞してしまい、血流障害が生じる病気です。
【閉塞性血栓血管炎(へい-そく-せい-けっ-せん-けっ-かん-えん)】とも呼ばれています。
動脈硬化によって下肢の動脈が閉塞してしまう閉塞性動脈硬化症も同じような症状がでます。
少し違うポイントは閉塞性動脈硬化症は高齢者に多く、40歳以下の若年者にはほとんど発症しないということです。
間欠性跛行のほかに、潰瘍や壊死、遊走性静脈炎などの症状がでてきます。
バージャー病は特定疾患のうちのひとつです。
また、喫煙が大きく関与していることも鑑別するための要素になっています。
話を戻しますが、腰部脊柱管狭窄症には大きく分けて3つのタイプがあります。
それぞれ症状も少し違ってくるので、普段から怪しかったり疑いのある方は参考にしてみてください。
腰部脊柱管狭窄症は狭窄が起きている部位によって
①神経根型(しん-けい-こん-がた)
②馬尾型(ば-び-がた)
③混合型
に分類されます。
これは、狭窄が起きている部位による分類です。分類が3つあるということは、腰部脊柱管狭窄症の症状もそれだけ種類があるというわけです。
①神経根型の症状
神経根とは、神経線維が脊髄から出て椎間孔を出るまでの部分のことをいいます。
この神経根で神経が障害を受けると、障害を受けている神経の走行に沿った、腰から脚にかけての痛みやしびれが出てきます。左右両側に起こるケースもありますが、ほとんどの場合は左右どちらか片側だけに症状が出ます。
腰を反らせた時に症状がひどくなり、前かがみの姿勢では症状が軽減し、楽になるのが特徴です。
②馬尾型
脊髄は脳から起こり、脊柱管を通って首、背中、腰と体の下方向へ走っていますが、L2(第ニ腰椎)あたりから下の部分は神経が「馬の尻尾」のような形状になっています。そこからこの神経は「馬尾神経」と呼ばれています。
この馬尾神経が障害された場合、お尻の辺りに血流障害が起きてしまいます。そのため、腰よりも下の脚のほうに症状が出ることが多くなります。
この馬尾型の腰部脊柱管狭窄症になった場合、神経根型よりも症状が重いことが多いです。両脚のしびれや麻痺が広い範囲に出現し、「間欠性跛行」が顕著に見られる傾向があります。
それだけでなく、馬尾神経は膀胱や直腸などの働きにも大きく関係しています。そのため、排尿障害や排便障害がでてきてしまう可能性もあります。ほかにも会陰部(え-いん-ぶ)のほてりや異常感覚、男性では異常な勃起が見られることもあります。
ちなみに馬尾型は、腰椎の変性すべり症があると発症の可能性が高くなることがわかっています。
③混合型
上記の神経根型と馬尾型の2種類のタイプが合わさっているものです。よって、脊柱管の狭窄のタイプだけではなく、症状も神経根型と馬尾型の両方の症状がでてしまいます。
痛みやしびれの出現部位は、片側だけの場合もあれば左右両方に現れることもあります。
そして腰部脊柱管狭窄症の特徴的な症状である間欠性跛行が見られるケースも多くなります。
〜普段の生活で気をつけること〜
日常生活の中でできる重要なことは姿勢を正しく保つことが大切です。しかし、脊柱管の狭窄の度合いがキツイ人は背筋を真っ直ぐに起こすだけでも症状がでてしまうケースもあります。
そんな人は、歩くときに手押し車を押したり、杖をついて歩いたりすると腰が少しかがんだ姿勢になるので、脊柱管が狭くなりにくく症状も出にくいので比較的楽に歩くことができます。
また、自転車に乗るときも姿勢が前屈みになりやすいので症状が出にくく移動することができます。
〜治療〜
当院にも腰部脊柱管狭窄症があって来院される患者さんは少なくありません。
腰部脊柱管狭窄症の患者さんに対して、腰をグイグイマッサージしてもなかなか改善は難しいです。それどころか、腰椎に負担のかかるくらい強いマッサージをしてしまうと症状が悪化してしまう可能性があります。
鍼灸治療や超音波・レーザー治療。整体治療など、それぞれ患者さんのお身体に合った治療法を選んで施術しています。
実際、患者も症状が改善して落ち着いています。
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