こんにちは! 住之江区緑木にある【ゆう鍼灸整骨院】です。
いつも当院のブログを読んでいただきありがとうございます。
このブログでは、当院で行っている治療法やいろいろな疾患のこと、身体のための体操からちょっとした豆知識まで紹介させていただいております。
『肩を動かすとが痛い』『腕が上がらない』『じっとしていても肩関節がうずく』『肩が痛くて顔を洗うこともできない』など、肩関節に異常が起こるとお仕事やスポーツだけでなく日常生活にも支障をきたしてしまいます。
ただ『肩関節が痛い』といっても原因は様々。
有名なものには【五十肩】や【腱板断裂】がありますが、肩関節痛にはその他にもたくさんの疾患があります。
今回は、野球をすることで起こる肩関節の痛みについて紹介します。
まず大切なのは肩関節がどのような関節なのか知っておくことです。
肩関節は肘から上の腕の骨である【上腕骨(じょう-わん-こつ)】と背中についている【肩甲骨】で構成されています。
身体の他の関節は骨同士がしっかりはめ込まれていたり、面同士が向かい合っていて安定しているものが多いですが、上腕骨の関節面である【上腕骨頭(じょう-わん-こっ-とう)】は丸みをおびた形になっています。それを受け止める肩甲骨側の関節面が浅いので、肩関節は不安定な状態になっています。
同じようなつくりの関節で股関節がありますが、太ももの【大腿骨(だい-たい-こつ)】側の関節面に比べ、骨盤側の関節面が深く大きくなっており、立っている状態では体重がかかるので肩関節に比べると安定しているといっていいでしょう。
そんな不安定な肩関節ですが、腕の重さがあるのでそのままではすぐに脱臼してしまいます。それを脱臼してしまわないように安定させているのが肩関節周りの筋肉や靭帯などの軟部組織と呼ばれる存在です。
肩関節はご存知の通りグルっと一周回すことができますが、その分不安定で可動域も大きく、複雑な動きが強いられています。肩関節を安定させている周りの筋肉や靭帯は、その分負担がかかりやすいということ。それによって痛めたり、動きが悪くなってしまうことに繋がりやすい部位といえます。
野球の投球時では、肩を後ろへ引きながら内旋(内側へ捻り)、腕が頭の後ろを通り前に出す過程で一度外旋(外側へ捻る)、ボールをリリースするあたりから再び内旋します。
意識をしていなくてもボールを一球投げるだけでこれだけの動きが必要になってくるので、野球で肩を痛めやすいのも納得です。
そして野球での肩関節痛は痛む場所や状態によって原因が変わってくるので、そのあたりの見極めが重要となってきます。
今回はそんな複雑な仕組みの肩関節周りが痛いとき、野球で痛めた場合はどんな疾患が考えられるかを紹介したいと思います。
まず野球肩といっても野球で肩が痛くなったものの総称で、『野球肩はこの疾患!』と決まっているものではありません。
しかし、野球をしていて起こりやすい疾患がいくつかあるので紹介していきます。
代表的なものだけで、【腱板(けん-ばん)損傷】【滑液包炎(かつ-えき-ほう-えん)】【上腕二頭筋長頭腱炎(じょう-わん-に-とう-きん-ちょう-とう-けん-えん)】【インピンジメント症候群】【関節唇(かん-せつ-しん)損傷】などがあるので順番に紹介します。
肩関節に深く関係しているもので【腱板】があります。腱板とは不安定な肩関節を支えている筋肉の総称で
「棘上筋(きょく-じょう-きん)」
「棘下筋(きょく-か-きん)」
「小円筋(しょう-えん-きん)」
「肩甲下筋(けん-こう-か-きん)」
の4つの筋肉を合わせて呼びます。
回旋筋腱板やローテーターカフとも呼ばれ、インナーマッスルと言われているのもこれらの筋肉です。
この腱板が炎症を起こしている場合は【腱板炎】。断裂を起こしている場合は【腱板断裂】と言います。
腱板は肩峰(けん-ぽう:首から肩まで触っていって、肩甲骨の一番外側に出っ張っている部分)と上腕骨頭に挟まれていて、そこで損傷してしまったり、腱板自体の老化が原因と言われています。
もともと40歳以上の男性に好発する疾患ですが、若年層では野球肩として発症します。
明らかに外傷として発症するよりも投球動作の繰り返しでストレスがかかって損傷したり、無理な投げ方をして発症することが多い疾患です。
まず重要なのがスポーツを中止して安静にすること。痛みがあるのに無理に投げるとフォームが崩れ、余計に負担がかかってしまい悪循環に陥ってしまいます。また、腱板が炎症を起しているのでアイシングが大切です。それでも無理をして使い続けると腱板が断裂してしまい、手術が必要となる可能性もあります。
どうしても休むことができず、症状がまだ軽い場合はテーピングなどで固定をして試合に出てもらうこともありますが、スポーツを中断して治療に専念することが治癒への近道です。
関節にある滑液包には少量の滑液という液体が入っており、それが骨や筋の摩擦を軽減する働きをしています。使いすぎや異常な使い方をすると、この滑液包が炎症を起こしてしまい【滑液包炎】という疾患になります。
肩関節の滑液包はいくつもありますが、その中でも有名なのが【肩峰下滑液包(けん-ぽう-か-かつ-えき-ほう)】。
肩峰下滑液包は、上腕骨頭とその上にある肩甲骨の肩峰という部分の隙間に存在し、その隙間には腱板も通っています。腕を上げたりすると肩峰と腱板が擦れてしまい、腱板を損傷してしまいます。そこで、できるだけその摩擦を軽減する役割をしているのが肩峰下滑液包。
ただ、そんなクッションの役割をしている滑液包も負担が強くかかれば炎症を起こしてしまいます。
もっとも有名なの筋肉の内の一つに【上腕二頭筋】という筋肉があります。重いものを持つときなどに働く肘を曲げる筋肉で、いわゆる『力こぶ』といわれる筋肉です。
筋肉は最も太い部分である『筋腹(きん-ぷく)』と言われる部分と、筋肉の端っこの『腱(けん)』と呼ばれる部分があります。
上腕二頭筋は起始(きし)と呼ばれる筋肉の始まり・頭の部分が2つあることからこの名前が付けられています。
【上腕二頭筋長頭腱炎】とは
上腕二頭筋の長い方の腱が炎症を起こしている状態のこと。
上腕二頭筋の長い方の腱が炎症を起こしている状態のこと。
肩関節の前方にある結節間溝(けっ-せつ-かん-こう)という溝を上腕二頭筋長頭腱が通っており、そこで炎症を起こして痛みがでる疾患です。
この結節間溝という溝はかなり細く、この筋肉の使いすぎや無理に動かすことによって腱が擦れて炎症を起こしてしまう疾患です。
肩を動かすと肩関節前方に痛みが出ますが、炎症が強い場合は安静時でもズキズキと疼くことがあります。
腕を上げたときの痛みの原因のひとつに【インピンジメント症候群】という疾患があります。
インピンジメントとは「衝突」「挟まる」という意味です。
インピンジメント症候群とは、肩を挙げたり動かすときに腱板や滑液包などが肩関節で”衝突”したり”挟まる”ことで痛みを起こし、それ以上動かすことができなくなる症状の総称です。
このインピンジメントには種類があります。
・肩関節で骨に腱板と滑液包などが衝突するエクスターナルインピンジメント。
・肩関節で骨に土手のように付着している関節唇(かん-せつ-しん)が衝突するしたりするインターナルインピンジメント。
これは投球障害肩で最近注目されています。
インピンジメント症候群が起こる原因として考えられるのは
「オーバーユースによる筋の硬化」「胸郭や肩甲骨の動きが悪い」「姿勢の悪化」
などが主な要因となりますが、ほかにも胸を張ろうとして首にばかり力が入り肩甲骨を寄せられない人や野球の投球時に肘が下がってしまう人もインピンジメントを起こしやすいと考えられています。
インピンジメント症候群の話で名前が出てきた【関節唇(かん-せつ-しん)】。この関節唇とは関節を構成している骨の受け皿となっている方、肩関節なら肩甲骨側の「関節窩(かん-せつ-か)」と呼ばれる凹みの縁にある線維性の軟骨組織で、受け皿となる部分の大きさや深さを補い、肩関節が前後上下にズレないようにする役割をしています。
この関節唇が投球動作などでの負荷に耐えきれず損傷していまうことがあります。
損傷する原因としては、投球動作やテニス・バドミントンのように肩関節を大きく動かしたり捻るような動作の繰り返しで起こる場合と、ラグビーなどのコンタクトスポーツによって肩に強い外力が加わることによって損傷するものがあります。
代表的なものでは、上方にある関節唇が投球動作などによって損傷したものを【SLAP損傷】【SLAPリージョン】といいます。
【ルーズショルダー】【肩関節不安定症】【動揺肩】といわれるものがあります。
これはもともと不安定な肩関節が先天的、後天的にもっと緩くなった状態。
『体が硬い人は怪我をしやすい』というのは有名な話ですが、だからといって『体は柔らかければ柔らかいほどいい!』というワケではありません。柔らかい人は関節が緩くなっている可能性があり、関節が緩いと周りにある筋肉や靭帯の許容範囲を越えて関節が動いてしまうので怪我をしやすくなってしまいます。
また、怪我や使いすぎが原因で関節が緩くなってしまうこともあるので注意が必要です。
このルーズショルダーにはインナーマッスルとアウターマッスルのバランスが大きく関わっています。
アウターマッスルは体の浅層にある筋肉で、インナーマッスルとは深層にある筋肉のこと。
肩関節の場合は先ほど紹介した回旋筋腱板がインナーマッスルと呼ばれています。
アウターマッスルの筋力が強く、インナーマッスルの筋力が弱いと関節の動きが大きくなってしまいます。
すると許容範囲を超えて動いてしまいやすくなるので怪我に繋がる恐れがあります。
今ではほぼ常識になってにていますが、インナーマッスルを鍛えることは怪我の予防だけでなく、球速をアップさせることにも重要とされています。
野球をしているお子さんで肩を痛めて来院されることがあります。
今まで紹介した疾患は大人でもよく見られる疾患ですが、今から紹介する疾患は体が成長しきっていないお子さんに起こるものです。
【上腕骨骨端線離開(じょう-わん-こつ-こっ-たん-せん-り-かい)】というもの。
骨端線とは、体が成長しきる前の子どもにしかありません。まだしっかりと骨になっておらず弱い軟骨でできており、これが傷つき、幅が広くなったりズレたりして痛みがでてきます。
野球では、投球の際に腕を高く上げそこから勢いよく振り下ろすので骨端線の幅が遠心力で広がってしまいます。カーブなどの変化球で腕に捻りが加わると余計に牽引力がかかるので注意が必要です。【リトルリーグ肩】【リトルリーガーズ・ショルダー】とも呼ばれています。
全ての疾患に共通して言えることは、まず安静にすること。炎症が起こっているときはアイシングをして炎症をとってあげること。
この2つが重要です。
炎症が起こっているのかどうかはなかなか判断しづらいですが、安静にしていてもズキズキと脈打つような痛みがある場合は炎症が起こっている証拠なのでしっかりとアイシングを行ってください。
その2つを前提として、治癒を早めるために治療をしていく…という方針となります。
治ってもまたすぐに再発する人は筋力不足やフォームの崩れが原因となっていることがあります。
当院では超音波治療やレーザー治療などのプロのアスリートも使用している医療機器を完備しており、鍼灸治療やマッサージ治療、他にもトレーニングのアドバイスや投球フォームの修正も行っています。
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