骨粗鬆症(骨粗しょう症)とは簡単にいうと骨量が減り、骨が弱くなった状態のことです
骨は通常、骨芽細胞によって骨をつくり(形成)、破骨細胞によって古い骨を壊して(吸収)一定の骨量を保っています
なので、この骨の形成と吸収のバランスが崩れると骨量が一定ではなくなります
骨の吸収が形成よりも上回り、骨量が低下してしまった結果、骨粗鬆症なってしまうのです
女性ホルモンが減ってしまうのが原因の一つにあります
女性が高齢になり閉経すると、女性ホルモン(エストロゲン)が急速に低下します
このエストロゲンは骨を形成する骨芽細胞の活動を高める役割があるので、エストロゲンの量が低下すると骨芽細胞の骨形成を破骨細胞の吸収が上回り骨粗鬆症になります
この骨粗鬆症が高齢者が骨折しやすい原因の一つになっているのです
その中でも高齢者に起こりやすい骨折がいくつかあります
大腿骨頚部内側骨折
この部分は構造上、骨折の治癒も遅く、治りにくい部分になっています
『布団の上で転けて骨折して、それ以来寝たきり』という話もよく聞きます
上腕骨外科頚骨折
ここは骨が細かったり、転けて手をついたときに力がかかりやすいので骨折しやすくなっています
脊柱圧迫骨折
胸椎(背骨の胸の部分)と腰椎(背骨の腰の部分)のつなぎ目に起こりやすく、尻もちをついて転けたときに起こりやすく、ダンボールを上からグシャッと潰したような骨折になります
橈骨遠位端(コーレス)骨折
手をついて転けたときに起こりやすい、手首の親指側の骨の骨折です
前腕(肘から手首まで)には橈骨と尺骨という2本の骨があり、そのうちの橈骨の骨折です
以上が高齢者に多い代表的な骨折となります
骨粗鬆症とは逆に大理石病という病気もあります
大理石病は骨を吸収する機能が低下し、どんどん骨が作られてチョークのようになってしまう難病です