こんにちは! 住之江区緑木にある【ゆう鍼灸整骨院】です。
いつも当院のブログを読んでいただきありがとうございます。 このブログでは、当院で行っている治療法やいろいろな疾患のこと、身体のための体操からちょっとした豆知識まで紹介させていただいております。
肘の外側に痛みがある方。それはもしかしたらテニス肘かもしれません。
当院にも『肘が痛い。』『痛くてものが持てない。』『腕をちょっとでも動かすと、肘に痛みが響く。』と来院される患者さんがたくさんおられます。
問診で詳しくどんな状況か伺い、検査をして『これはいわゆるテニス肘と呼ばれるものです。』となるのですが、みなさん『テニスとかしたことないけど』や『テニスしてないのに?』と不思議に思う方が多くおられます。
確かにテニス肘と聞くと、疾患名のとおり「テニスをしていてなる疾患」というイメージがありますが、実はそういうワケではありません。
このテニス肘ですが、正式には【上腕骨外側上顆炎(じょう-わん-こつ-がい-そく-じょう-か-えん)】や、【上腕骨内側上顆炎(じょう-わん-こつ-ない-そく-じょう-か-えん)】といいます。
〜テニス肘の種類〜
テニス肘には「バックハンドテニス肘」と「フォアハンドテニス肘」があります。
一般的にテニス肘と言われるのは「バックハンドテニス肘」の方で【上腕骨外側上顆炎】の方を指すことが多いです。
そして「フォアハンドテニス肘」が【上腕骨内側上顆炎】のことを指します。
【上腕骨内側上顆炎】は「フォアハンドテニス肘」の他に「ゴルフ肘」とも呼ばれます。
〜上腕骨外側上顆
と
上腕骨内側上顆〜
肘の関節は、肘から上の腕の骨である【上腕骨】と肘から下の腕の骨である【前腕骨(ぜん-わん-こつ)】によって構成されています。
この前腕骨とは【橈骨(とう-こつ)】と【尺骨(しゃっ-こつ)】という2本の骨で構成されている骨です。
そんな肘の関節ですが、外側と内側にそれぞれ骨が一番出っ張っている部分があります。その部分をそれぞれ【上腕骨外側上顆】【上腕骨内側上顆】と呼びます。
そして、その部分に何かしらの原因で炎症が起こっている状態を【上腕骨外側上顆炎】【上腕骨内側上顆炎】といいます。
〜上腕骨外側上顆炎とは〜
上腕骨外側上顆には、前腕の伸筋(しん-きん)と呼ばれる筋肉がたくさん付着しています。
挙げられるもので
・尺側手根伸筋(しゃく-そく-しゅ-こん-しん-きん)
・総指伸筋(そう-し-しん-きん)
・小指伸筋(しょう-し-しん-きん)
・短橈側手根伸筋(たん-とう-そく-しゅ-こん-しん-きん)
・長橈側手根伸筋(ちょう-とう-そく-しゅ-こん-しん-きん)
・回外筋(かい-がい-きん)
などがあります。
[尺側手根伸筋]
上腕骨外側上顆と尺骨後縁の上部から始まって、第5中手骨(小指の手の甲の骨)の底部に終わります。
手首を反らしたり、小指側に曲げる動きをするときに使う筋肉です。
[総指伸筋]
上腕骨外側上顆と前腕の筋膜から始まり、人差し指〜小指の手の甲側で終わる筋肉です。
人差し指〜小指をあげたり指を広げる筋肉で、手首を反らす動きにも関わってきます。
[小指伸筋]
総指伸筋から分かれる筋肉で小指で終わります。小指をあげる作用があります。
[短橈側手根伸筋]
上腕骨外側上顆と橈骨にある輪状靭帯と呼ばれる靭帯から中指の骨の手の甲につきます。手首を反らす時と親指側に手首を曲げる時に使います。
[長橈側手根伸筋]
上腕骨の外側縁と上腕骨外側上顆から人差し指の手の甲につく筋肉です。短橈骨手根伸筋と同様の動きで働く筋肉です。
[回外筋]
上腕骨外側上顆・橈骨の肘部分にある輪状靭帯と呼ばれる靭帯・肘の関節を包んでいる関節包などから始まります。そして橈骨上部1/3の外側面に終わります。
手のひらを体の外側に向ける動きをする筋肉です。
それぞれの筋肉がついている部分とその筋肉の作用をズラッと書きましたがいまいちピンと来ないかと思います。
簡単にいうと
[尺側手根伸筋]はテニスでバックハンドで打つような動き。
[総指伸筋]は手についた水を前へ飛ばす動き。
[小指伸筋]は手の指を広げるとき。
[短橈側手根伸筋]と[長橈側手根伸筋]は釣竿を強く引いたり、重いフライパンをあおるとき。
[回外筋]はドライバーやドアノブを右手で時計回り(左手では反時計回り)に回したり、本のページを右手で右側(左手で左側)へめくるとき。
それぞれの筋肉は日常生活では上記のように使います。
これらの筋肉が正常なときには、上手くスムーズに伸び縮みしながら手を動かしてくれます。
しかし使いすぎなどの原因よって、これらの筋肉が過緊張を起こして柔軟性がなくなってしまうと、上手くスムーズに伸び縮みしてくれません。いうなれば、「硬くなった輪ゴム」のような状態になります。
硬い輪ゴムを引っ張るとブチっとキレてしまうか、もしくは持っている手に引っ張られる負荷が強くかかります。
輪ゴムがブチっと切れてしまう状態が筋肉でいういわゆる【肉離れ】の状態です。また、輪ゴムを持っている手に負荷がかかった状態が「筋の付着部に負担のかかった状態」と同じで、それが繰り返しもしくは長時間続くと付着部が熱を持ちます。その状態を【筋肉の付着部に炎症が起こった状態】となります。
上腕骨外側上顆炎は輪ゴムを持っている手に負荷がかかる状態、筋肉の付着部に負荷がかかってしまった状態と同じです。
この負荷が繰り返しかかってしまうことで、その部分に炎症が生じて発症してしまうということです。
〜上腕骨内側上顆炎とは〜
上腕骨外側上顆炎は肘関節の外側の骨の一番出っ張ったところで痛みが起こりますが、それとは反対にある肘関節の内側の骨が一番出っ張った部分で痛みが出てくる疾患です。
上腕骨外側上顆にはいく
つかの筋肉が付着していましたが、上腕骨内側上顆にも同じようにいくつかの筋肉が付着しています。
つかの筋肉が付着していましたが、上腕骨内側上顆にも同じようにいくつかの筋肉が付着しています。
・円回内筋(えん-かい-ない-きん)
・橈側手根屈筋(とう-そく-しゅ-こん-くっ-きん)
・長掌筋(ちょう-しょう-きん)
・尺側手根屈筋(しゃく-そく-しゅ-こん-くっ-きん)
・浅指屈筋(せん-し-くっ-きん)
などです。
[円回内筋]
上腕骨内側上顆と尺骨から起こり、橈骨に付着します。主に手の平を下へ向けるときに使う筋肉で、肘を曲げるときにも補助をする筋肉です。
[橈側手根屈筋]
上腕骨内側上顆から人差し指の手の平部分に付着します。手首を手の平側、親指側へ曲げるときに働く筋肉です。
[長掌筋]
上腕骨内側上顆から、手の平にある手掌腱膜と呼ばれる部分に付着します。手首を曲げるときに働きます。
[尺側手根屈筋]
上腕骨内側上顆と尺骨から始まり、手首の豆状骨・有鈎骨・第五中手骨という部分で終わる筋肉。手首を手の平側や小指側に曲げる働きがあります。
[浅指屈筋]
上腕骨内側上顆に始まり、人差し指から小指にかけてついています。PIP関節(第2関節)、MP関節(第3関節)、手首、肘を曲げる筋肉です。
普段は
[円回内筋]は雑巾を絞ったり、ドアノブを体の内側へ向けて回すとき。
[橈側手根屈筋]と[長掌筋]は手招きや人の方を手の平でポンポンとたたくとき。
[尺側手根屈筋]は手招きや手刀を切るとき。
[浅指屈筋]はかゆいところをかいたり、フリークライミングの場合はホールドに指をかけるときに使います。
【上腕骨外側上顆炎】と同じように、これらの筋肉が使いすぎ・使い方などの原因によって過緊張してしまい、柔軟性がなくなると上腕骨内側上顆に負荷がかかります。その負荷が繰り返しかかることによって上腕骨内側上顆に炎症が起きて痛みがでてきてしまう疾患です。
〜症状〜
疾患名の通り【上腕骨外側上顆炎】なら上腕骨外側上顆に、【上腕骨内側上顆炎】なら上腕骨内側上顆に痛みがでます。
初期は患部を『押すと痛い』『物を持つと痛い』『雑巾をしぼると痛い』など、安静時には痛みはありません。しかし症状が悪化すると、安静時にもズキズキ疼いたり、お風呂に入って温まると疼きが増したりします。
これは患部の炎症が強くなると起こってしまう症状です。
炎症が強くなると安静時にズキズキと疼くような痛みがでてきやすくなりますが、お風呂で患部を温めると、炎症が起きて熱をもっている患部が余計に熱を持ってしまうため、炎症が強くなって痛みが悪化してしまう場合があります。
この【上腕骨外側上顆炎】【上腕骨内側上顆炎】はケアや治療をせずに痛みを我慢して使い続けると、どんどん状態が悪くなっていき、最終的には上腕骨外側上顆や上腕骨内側上顆が剥離骨折のような状態になってしまうこともあります。
普段からの使い方が原因で痛みが出てきてしまう疾患なので完全に患部を休ませることが難しく、そのせいで治りにくい疾患のひとつなので状態が悪くなる前に早めの処置が重要となってきます。
〜治療〜
基本的には原因となっている筋肉の過緊張をとりのぞき、できるだけ普段の生活での負担を軽くすることを目的に、テーピングや包帯・サポーターなどで保護や固定をします。
また普段の生活で『この動きはやめてください。』『この動きのときは気をつけてください。』といった具合に、患部に負荷がかかってしまう動きをできるだけなくせるようにアドバイスをさせて頂きます。
手をよく使った後は、患部の炎症を抑えるためにアイシングをし、患部をしっかり冷やしてあげるのも大切な治療のうちのひとつです。
筋肉の過緊張と患部の炎症をとるために、電気治療や超音波治療を行います。慣れていたり平気な患者さんには鍼灸治療などを行うことも少なくありません。治療方法は患者さんが安心して治療を受けてもらえるように『こんな治療がありますよ。』『こんな治療もありますよ。』と治療内容を説明し、それを相談しながら患者さんと一緒に決めていきます。
ハリやお灸をしたことがない患者さんに、何の説明もなくいきなり鍼灸治療を行うようなことは絶対にありませんので安心して治療を受けていただけると思います。
これを最後まで読んでもらって『もしかしたらテニス肘かも』と疑いのある方。また、すでにテニス肘でお悩みの方は一度ご相談ください。
●当院へのアクセス 地下鉄四ツ橋線 北加賀屋駅 3番出口より徒歩3分
●ご新規の患者さん1日3名様までで、予約優先制とさせていただいております。
●定休日 日曜日・祝日・土曜日午後
ご予約の際は『ホームページを見て、、、』とお電話ください。 ご予約でなくても気になることやご相談があればいつでもお電話ください。